入試型によっては和声ナシでも大丈夫です。
〜入試前にやるか、入学後にやるか〜
受験を志したタイミングが遅めだったせいで和声の勉強が間に合わない、、、という高校生の声をしばしば頂いています。
例えば、自宅のコンピュータで作曲を続けており、コンピュータの扱いに関しては大学での「実践的な作曲」にガンガンついていける一方、楽譜と格闘するのは苦手、、、あるいは、ピアノは幼少期から続けておりしばしば作曲にも取り組んでいるが和声学習を始めたのが3年生の初夏から、、、といった「作曲家のタマゴたち」からです。
和声や対位法といった「昔ながらの作曲技法」を学ぶことは、決して「古い音楽を作るため」にするのではありません。全く違います。
例えば「コードネームを用いる作曲法」だって、21世紀の今の世の中では「昔ながらの」と言えてしまいますし、つまり作曲の学習というのは、しばしば「昔の作曲のやり方を真似することから始めよう」という形をとるのです。
くにたち音大の作曲専修では、対位法は「複数のパート、ベースラインやメロディラインなどを同時に操る感覚を研ぎ澄ましていく」ためにあるし、和声法は「音を積み重ねていく技術とコード進行によるドラマを体感する」ためにある、と考えられています。
それは、素敵なピアノ曲からバンドサウンド、合唱、吹奏楽・オーケストラなどの大編成、そしてシンセの音作りなど、「あらゆる作曲」に大いに必要となる感覚・能力です。
教員一同、和声をある程度やってきている高校生ならではの「入学後の伸びのスピード」の高さを認識しつつ、一方で、総合型という入試形態であれば、
・和声は入学後に丁寧にきちんと教える
・意欲や夢のある学生を迎え入れる
という二つのことを満たせるのではないか、と考えています。
(各課題については、コチラの「入試」コーナーに解説動画が用意されています。大学から発行されております「入試要項」も必ずご参照ください。また、レッスンのご相談など、コチラの「お問い合わせフォーム」への投稿もお気軽にどうぞ。)
キャンパス内に居られるのは、平日は朝8時から夜21時までです。
日曜日は夕方まで。
正確には月〜土が8時〜20時50分、日・祝が9時〜16時50分です。夏休みや「入試期間」などによる変動に要注意。遠い自宅から通っている学生は、帰宅する頃には練習の出来ない時間帯になってしまうため、いつもギリギリまで練習してから帰っています。
その所蔵点数の豊富さゆえ学外からの来館者も多数、です。
日曜日はお休み。
平日8時50分〜19時00分/土曜日8時50分〜17時00分が原則で、時期により変動します。ほぼ年中開いている図書館ですが、資料整理などの都合により、まれに思わぬタイミングで閉館していたりするため、図書館の「開館予定」はスマホのすぐ見られるところに置いておく学生が多いです。国立音楽大学 附属図書館 開館日程のページへ
卒業生・学外者の利用については、現在は予約制となっています。詳細は→コチラ
また、楽器学資料館も毎週水曜日に、学外者も含めて開館しています。詳細は→コチラ
専攻する楽器によって人間性にも違いがあります
冗談です。
なんと言っても「音楽好きがここまで集合している」場所は他にそうそうないでしょう。朝から晩まで音楽漬け。気の合う仲間も見つけやすい。そして、学内コンサートや学内イベント、合唱や合奏の授業などを通じ何かに共に取り組む機会も多く、「同じ大学で学んでいる」という感覚は一般の大学より強めかもしれません。様々な音楽好きがゆるめに集まりつつ、しかし内心は「音楽を志す仲間同士」といった強固な連帯感を持っている感じ。「一人で黙々とピアノ技術の向上を目指す者」から「ワイワイ毎日楽しそうな集団」まで、色々な学生で満ちています。
真剣だからこそ、当然の質問と思います。
この答えは冗談では済ませられません。
たしかに、卒業生の多彩な望みが全員全て叶う!、わけではなく、また、こればかりは挑戦してみないと分からない、という側面もあるでしょう。卒業後にアシスタント業を数年経験し、、、といった「遅咲き」のパターンも少なくありません。
そんな中、ひとつ確実に言えることは、「才能だけではなく“技能”も人生を支える“飯のタネ”になる」ということ。そして「技能は努力次第で誰にでも備わる」ということでしょうか。技能は職に直結します。
フィギュアスケートで用いられる「芸術点と技術点」の二つを作曲になぞらえますと、「美しく演技する=芸術点」はいわゆる「センス」を多少なり必要とする方面、そして「クルクル何回まわったか=技術点」を競う方は、作曲における「誰にでも獲得できる技能」を必要とする方面、と言えるかもしれません。
くにたち作曲専修ではセンスの涵養について熟練の教員陣が導くとともに、対位法や和声法といった「技能や考え方」の習得にも極めて熱心です。プロとなるからには「地力が大切」というポリシーのもと、本格的な力を身につけられるカリキュラムと教員が揃っています。
補足です。
「作曲の力」が必要とされる職業は広範で、目指す将来像は、実は作曲家に限りません。それら多彩な未来を目ざとく見つけ進んでいく学生も一定数います。つまり「作曲専修イコール作曲家」だけではない、ということです。
例えば、このウェブサイトを編集しております本学教員(1997年くにたち卒)の同級生10名は本人を含め、現在、放送系商業作曲家(1名)、ゲーム音楽作曲家(1名)、大学教員と作曲家の掛け持ち(2名)、高校の音楽教員(2名)、音楽系の企業勤務(1名)、河口湖 音楽と森の美術館の元館長(1名)、自宅での音楽教室経営(1名)、邦楽と茶道の師範(1名)、といった具合に、作曲活動を続けている者をはじめとして、それぞれの道で活躍をしています。
本格的に学ぶくにたちで、音楽を「作り出せる人」になるということ、その可能性は計り知れません。